実はUSB DACに問題がありまして、時々プチノイズが入ってしまいます。最近既定の出力を32bit 192kHzにするようになって発覚しました。
32bit 384kHzなら問題無いんですが一部ゲームが起動しなかったり音が出なかったりして32bit 192kHzにしてみたら解決したので、以来32bit 192kHzを使っています。音質的な違いはわかりません。
それまでも低頻度ですが一瞬音がヨレるような事はありました。32bit 384kHzなら転送がシビアで仕方ないと思っていましたが、それに加えてプチノイズです。データ欠けなんかで起きるデジタル由来のノイズだと思いますが、その頻度がまあまあだったので流石に気になり解決してみようと言う試みです。
ノイズの出づる
今回より高い転送レートを要求する32bit 384kHzでは殆ど起きていないので転送レート以外が原因でしょう。
ストリーミング再生だとよく発生し、かつ曲によって結構差があるのでPC側の問題のような気もします。
一応確認のため32bit 384kHzにしてよく聞いてみるとまれにプチノイズが入ります。しかも192kHzの時より小さいノイズです。これぐらいなら気付かないので良いんですが。
CD音源をWASAPI排他モードで聞いてる時は発生しません。あれ?発生したかもと言う感じが無くも無いんですがいまいち確認できないです。
予めアプリケーション側で192kHzに変換して再生しても発生状況は変わらないのでWindowsのサンプリングレート変換が原因と言うわけでもなさそうです。
ストリーミング再生で特に入るのでWiFiをUSBで使っている影響もありそうな気はします。
以下の動画がかなりプチノイズが入るのでこの動画をメインにテストします。
迷走敗走もう負けそう
プチノイズを取り除くために色々と試しましたが試行錯誤と言うより迷走です。なので結果として有効だと言える事とDACの音質向上に関して先に記しておきます。
原因は主にDAC ICのES9018K2Mが放射ノイズを拾っていた事にあると思います。USBプラグ部分のシールドが甘くDAC ICの直近である事が災いしています。なのでUSBケーブルやコネクタのシールドをしっかりした物にし、DAC基板全体を覆うようなシールド板を設置する事で改善しましたが残念ながらプチノイズを完全になくす事はできませんでした。
プチノイズとは別にDAC基板上に手を入れた結果音が良くなりました。電源入力部分のフィルターと思しきトランジスタ2つを外して入力された電源をそのまま使った方が音がかなり良いです。もちろん入力される電源の質に左右されますが、外してみると今まで勿体ない事になってたとわかります。
改良計画はお手頃価格
USB DACの改良で多少は改善が見込めると思います。例えばI2S転送もDACに付いてたおまけケーブルなのでそれ程良い状況とは言えません。
と言う事でI2S転送の改善をメインに色々弄ってみます。丁度インジケーターとリセットスイッチを取り付けたいと思っていたのでそれらも同時に行います。
I2Sアイソレータの導入
I2S転送を改善させるのにケーブルの変更は必須としても、元々距離が短い事を考えるとケーブルの質の改善よりアイソレータの導入が効果的かと思います。
アイソレータ、つまり絶縁器の事ですがI2S信号の送り手であるDDCと受け手であるDACの間に入れて双方を電気的に絶縁させられます。DDCのCombo384のデータシートにも記載があり、そこではISO7640FMが例として挙げられています。回路図を見ても信号直結と単純なのでこれを利用する事にします。
I2Sアイソレータで電源も絶縁される
I2Sアイソレータの良いところは電源も絶縁するところです。DDC側の電源とDAC側の電源を絶縁して完全に分離できます。GNDの共通化をする必要がありません。
と言う事は現状でDDCの電源をDACから引き込んでいるのでそれも修正しなければいけません。USBから電源を貰えば良いだけなんですが、そうするとDAC本体と電源が連動できなくなります。
DDCとDACの電源連動はあくまでDDC再起動のための物なのでDDC再起動用のリセット機能を付けます。リセット機能自体はDDC本体への改造は私には無理なのでUSBの電源遮断機能で実現します。このリセット機能はプチノイズとは別に欲しかったものです。
リセットスイッチはモーメンタリ
リセットスイッチはモーメンタリのプッシュスイッチにします。しかしモーメンタリのプッシュスイッチはその多くがプッシュでONです。A接点と言う奴ですね。逆に通常時導通していてプッシュした時だけ遮断すると言うリセットスイッチに適したB接点のスイッチはかなり限られます。
と言う事で入手性も良く種類の多いA接点のスイッチを使う事にします。リレーを使って逆の動作にさせれば良いだけです。
インジケーターで自己表現
ついでにインジケーターを設置したいと思います。と言ってもパイロットランプとUSBが接続状態にあるかの2つのLEDだけです。
Combo384にはいくつかの状態取得用のポートがあります。マイコンなんかで読まなきゃいけないんだろうと思っていたら単純に3.3Vが出力されているだけらしくLEDを繋げば光ります。ポート1のCable PluggedにLEDを繋げばUSBが接続状態なら光ります。
パイロットランプは電源スイッチに連動していればどこから取っても良いですね。配線はその時都合で考える事にしましょう。
改善依然全然不全
USBリセット回路で何度でも蘇るさ
まずはDDCを簡単に再起動できるようにUSB電源遮断回路、つまりリセット回路を作ります。
リセットスイッチを押した時に電源が遮断できれば良いのでB接点のプッシュスイッチを使えばそれで解決なんですが、敢えてA接点を使います。そこで必要になるのがこの回路です。
USBのVBUS(電源)でリレーを動作させ、そのリレーによってVBUSをその先に通すかどうかをコントロールします。この時リレーの制御側の端子をショートさせればリレーは動作しなくなりVBUSが遮断されると言う仕組みです。
使うリレーは機械式が好みですが消費電力とサイズが大きいのでフォトリレーにします。低消費電力で動作して小型なので組み込みやすいです。秋月で東芝のTLP225A(F)を購入しました。東芝の製品ページによると新規設計非推奨ですね。もう使っちゃったよ…
TLP225Aの使い方ですが1番と2番ピンが制御側で3番と4番ピンが出力側になります。この制御側に適当に電流を流せば出力側が導通します。トリガLED電流:5mA(最大)
とあるので制御側に5mA以上流せば良いと言う事です。*フォトカプラの特性 トリガLED電流
必要な電流を流すのに計算があるんですが面倒なので10mAのCRD(定電流ダイオード)を使います。
VBUSから3番ピン、3番ピンからCRD経由で1番ピン、2番ピンをGND、4番ピンからVBUS出力、そして1番ピンと2番ピンをスイッチでショートさせればVBUS遮断。制御側の電源をDACから引っ張ってくれば連動するようになるんですけどこれ以上配線が増えるのも嫌です。何しろ狭小筐体なもので。
と言う事で作ってみました。USBプラグ基板に丸ピンソケットを付けてスタックして使います。テスト用にタクトスイッチを取り付けました。秋月で2ピンの物を注文したら4ピンの物が送られてきました。これのせいで予定より基板が大きくなってしまいました。
更にUSBジャックをスタックしてUSBライトでLチカしてみます。USBを繋いで点灯、スイッチを押して消灯。何回かチカチカさせてテスト終了です。
USBケーブルは小さくまとめろ
リセット回路に挿せるUSBケーブルを作ります。USB BコネクタがL型のCOMON 2B-R015を改造します。フタバヤで購入しました。今まで使っていた物も同じ物です。
メスの方を切り落として被覆を剥いでシールドも一旦めくります。
電源と信号をそれぞれツイストペアにします。USBケーブルは赤がVBUS、黒がGND、緑がD+、白がD-と仕様で決まっていますが一応テスターで確認しました。
シールドはホイルと編組チューブと言うしっかりした作りですがケーブルの取り回しが悪いのでホイルのみ残して他は切除しました。そしてホイルを信号線のみに巻きました。
最後に丸ピンソケットを取り付けてアセテート布絶縁テープを巻いて終了です。
なんですが、長くて硬くてケースが閉まりません。一応接続テストは問題無くリセットも正しく機能しました。
ケースが閉まらなくてはしょうがないので最短のケーブルを作りました。強度確保と撚れを解決するため極小基板を挟み込むように配線しました。
アイソレーターで愛想が尽きて絶縁状態に
アイソレーター回路を作ります。Combo384の説明書にある通りISO7640FMを使います。
回路と言っても信号は直結で、入出力双方の電源に0.1μFのパスコンを入れるだけです。またCombo384の説明書では省かれているんですが、ISO7640FMのデータシートによると2番と15番ピンにもGNDを繋いでいるのでそれに倣います。
ISO7640FMは共立エレショップでDIPにする変換基板も一緒に購入しました。
まずは変換基板にISO7640FMをはんだ付けします。入力側に丸ピンソケット、出力側にL型ピンヘッダと電源用のXHコネクタ付きケーブル、入出力にMLCC 0.1μF(X7R)をパスコンとしてはんだ付け、MLCCの足を利用して2番から8番ピン、15番から9番ピンへとGNDを橋渡し、16番と10番ピンもワイヤで橋渡します。
これでアイソレーター回路は完成です。
ワイヤだろうがコードだろうがケーブルだろうが、とどのつまり電線だ
I2Sケーブル、スイッチとリセット回路を繋ぐケーブル、インジケーター用のケーブルを作ります。
I2Sケーブルは8芯のフラットケーブルをそのまま使います。コネクタ部分は丸ピンソケットです。
GND, DATA, BCLK, GND, FSCLK, MCLK, GND, 3.3V と言う並びです。全ての信号に対してGNDが隣にあるように配置しました。GNDはアイソレーター側では1つにまとめられます。MCLKはこのDACには要らないんですが取り合えず繋げときます。
リセットケーブルは単純に2芯をスイッチと繋ぐだけです。またインジケーター用も同様ですがこちらは極性があります。
リセットスイッチにはミヤマ電器のMS-402を使います。アイソレーターと一緒に共立エレショップで購入しました。
今回各種ケーブル作成のためにワイヤーストリッパーをAmazonで購入しました。ちょっと重いけどこれであなたもヒーローに。
LEDだって立派なインジケーター
インジケーターはLEDが光るだけの単純な物です。DACの電源と、DDCのCable Pluggedに対応します。
LEDはaitendoで購入した3mmの平頭型LEDです。このLEDの緑を使います。定格が20mAなんですがそんなに流すと眩しそうなので手持ちの5.6mAのCRDを繋ぎます。
小型基板にCRDとLED用のスペーサーをはかせてLEDを取り付けます。入力は丸ピンソケットです。
フロントパネル再加工
フロントパネルにリセットスイッチとLED用の孔を開けます。
リセットスイッチは5mmの孔をドリルで開けてからバリ取りや鑢でスイッチが入るように調整。LED用の孔は3㎜のドリルを使いましたがバリ取りが入らないのでニッパーでバリを切り取って鑢でなんとかLEDが嵌るように整えました。
スイッチは孔を通ればナットで固定するだけです。一方のインジケーターの固定は考えていませんでしたが、この孔に嵌めると簡単には動かないのでただ嵌めたままです。
DACへの組み込みでやっぱり躓く
DDCへ供給していた5Vのレギュレーターを3.3Vに変更します。
DDCをバスパワーで動作させるため5Vが必要なくなったのと、アイソレーターの出力側の電源に3.3Vが必要になったためです。DAC上の3.3Vから取れば良いんですがせっかくパターンがあるので。
使用している5VのレギュレーターがTA4805Sなので3.3Vのレギュレーターには同シリーズの東芝のTA48033Sを使います。
レギュレーターは足を切って取り除き交換しました。最初レギュレーターを綺麗に取り除こうとあれこれ熱をあて過ぎたので念のため入力に付けていたMLCCも新しい物に交換しました。
次にDAC上のI2S用コネクタを取り除きます。食い切りで大雑把に壊して残ったプラ部分をニッパーで切り離してピンのみの状態にしてから1本づつ取り除きました。
このコネクタ部分にアイソレーター回路を取り付けます。アイソレーター回路に生やした足はGNDを含まない4本なのでそれを全てはんだ付けです。MCLKは使わないので3本でも良いんですが強度確保のために4本にしました。
これでDACの準備が完了したのでケースに戻してUSBレセプタクルにリセット回路を装着します。
これは、ちょっと…
I2Sアイソレーターの入力側ソケット付近と干渉します。無理やり取り付けられなくは無いですがケーブルがリセットスイッチを押してしまいそうです。
こんな事もあろうかとUSBケーブルの予備を用意していたので省スペースなリセッタブルUSBケーブルを作りました。基板上のリセットスイッチも排して最小構成です。
USBケーブルを作ってばっかりな気がしますが取り合えず材料が揃ったので全て組み込んで音出しです。
そうそう、DDCはケーブル直結でしたが新しいケーブルはコネクタが丸ピンなので丸ピンソケットを取り付けておきました。
音出ししたけど…
最初音が出なくて焦りましたが電源スイッチを入れてなかっただけでした。ちゃんと電源を入れて一応リセットスイッチを押してCable Pluggedインジケーターの消灯を確認してDDCも再起動です。インジケーター眩しい…
音はかわりません。そう言った類の改造ではないですしね。GNDが分離される事によって可能性として無くは無いですが。
肝心のプチノイズは減ったかな?ぐらいには減りました。GND分離の効果かI2S転送の改善か…
ともかく当初のおまけケーブルより精神衛生上は良いですね。
交換如何オペアンプ
取り合えずこんな物だろうと言う事で以前DAC用に買っておいたオペアンプを試してみる事にします。
LMC6482AINに不満は無いんですがやっぱりスペックが気になりまして。高速・高精度な物だともっと良いのかなと。恐らく入出力Rail to Railと相性が良さそうなのでそれら3条件に当てはまるOPA2350UAを購入していたので試してみます。電圧が最大で5.5VですがこのDACは4.5Vと低電圧なので問題無く使えます。
交換して聞いてみると違いがいまいちわかりません。エージングしてからよく聞くとディティールが良くなっています。特にザラついた音の表現が良く今までは曖昧だったと気づきました。高速・高精度の恩恵ですね。スペックは伊達じゃないと言う事です。
ボーカルのザラつき具合が良かった動画を紹介します。貫禄が…
諦めの悪いのが取り柄でございます
一応プチノイズは減らせました。減らせましたがやっぱり実用するにはとても…と言う感じなのでもう少し悪足掻きしてみます。
USBのシールドはPCのFG
DACのケースに繋がってるUSBのシールドが気になってました。DACのケースの開け閉めの際にPCとDDCが切り離されたりディスプレイがブラックアウトするので。
試しにPCのUSBポートのGNDと外枠の抵抗をテスターではかると15Ωから徐々に2Ωまで下がりました。GNDとの間にコンデンサを挟んでいるんでしょう。このUSBの外枠がPCのFGと繋がっていてディスプレイのブラックアウトの原因になるんでしょう。
またUSBハブから繋いでいたDACを延長ケーブルを使いPCに直結してみると安定しない*1ようでCable Pluggedインジケーターが点滅しました。
この不安定な状態でアイソレーター入力部のGNDとケースをコンデンサで繋ぐと少し安定します。またUSBのVBUSにバッファ用のコンデンサ100μFを追加しても少し安定しました。
試しにアイソレーター入力部のGNDとケースをMLCC 4700pF(C0G)で繋ぎました。プチノイズは増えたような…
USBプラグ部分にもGNDとシールドを繋ぐMLCC 4700pF(C0G)を追加してみましたが特に変化はありません。
三歩進んで 二歩さがる
PC直結時にUSBケーブルをELECOMのオーディオ用の物からCOMONの普通の物へ変更したらそっちの方が安定していたのでCOMONの普通のケーブルに変更しました。
救世主現る?
どうしたもんか悩んでいると先日のトランス式電源用に注文していた3Pコードが届きました。
電源コードをこれに取り替えると嘘のようにプチノイズが消えました。極性なのかアース線なのか…
繋いで良かったアース線。
こりゃ完全に解決だわって思って犬の散歩へ行って帰ってきたらやっぱりプチノイズが出てました。人生そんなもんです。
とは言え少しはマシになったような。二歩さがっただけです。
再考難航勘考決行
ノイズの原因は不明なままですが、いずれにせよ内部のシールドを強化しようと思います。一番怪しいのはUSBの引き込み口だと思います。DAC ICの直近ですし。
と、その前に
ふとDACの電源回りのトランジスタが邪魔だよなあ、と。
多分脈流用フィルタのLPFだと思うんですが。いやこれ絶対要らないよ。*2
と言う事で取り除く事にします。小さい方は2N5551と言うトランジスタ、大きい方のBD139はパワートランジスタで双方NPN型です。抵抗とコンデンサでカットオフ周波数が決まると思います。そのコンデンサも邪魔なので外しておきます。抵抗はそのままで良いでしょう。
トランジスタは足を切って切除です。コンデンサは一応丁寧に外しました。
このままだと電源がDAC回路に供給されないのでBD139のエミッタとコレクタにあたる位置をジャンパしておきます。
この回路による電圧降下が起きないのでオペアンプにも入力された約6.6Vがそのまま入ります。このままだと最大電圧5.5VのOPA2350UAが壊れそうなので4.5VになるようにDCDCコンバーターを調整します。
そして音を出してみると…良くなってる。
気のせいレベルじゃなくて明らかに音が良くなりました。解像度や定位が良くなり低音が力強く引き締まる、電源の改善をした時のパターンだと思います。
電源回りを弄った時に真っ先にやっておくべきでした。
この一連の作業中電源入力部の無理やり立たせているチップコンデンサの足がもげそうな事に気付いたので交換します。同じ事態にならないように適当な基板に足を取り付けてそこに表面実装しました。斜めに傾いていますが強度はあります。
これをもげそうなコンデンサと交換しました。あれ?プチノイズが消えましたよ。
それっぽいノイズは聞こえるんですがかなり控えめで頻度としては無視できるレベルにまで下がりました。いや待て、今は電源コードをかえたのと同じ時間帯だ。話は犬の散歩が終わってから…
やっぱりプチノイズが戻ってきましたよ。とは言え頻度は減った感じです。足がアンテナ化でもしてたんでしょうか。
力強く引き締まった低音を味わえる動画を紹介しておきます。解脱しそう。
USB 2.0
USB DACはUSB 2.0の方が安定すると言う話を目にしたのでUSB 2.0ポートから3mのケーブルで繋いでみたけど特に変化がありません。試しに標準ドライバにしてみても相変わらず定期的なノイズが入ります。
取り合えずUSB2.0ポートから3mのケーブルで手持ちのUSB 2.0ハブに繋いでそこから再びELECOMのオーディオ用USBケーブルで接続する事にしました。
特に変化は無いです。
なんどめだUSBケーブル
改めてCombo384を見るとGNDとシールド間をコンデンサと抵抗を並列にして繋いでいました。回路図では1000pFと1MΩです。USBケーブルはちゃんとシールドを繋いでアイソレーター部分で繋ぐのを止めた方が良さそうです。またケーブルを作らないと…
リセット回路のCRDを15mAにしました。使った10mAのCRDを外すのが面倒なもんで。フォトリレーはスペアが無いので外して使いまわしです。
と言う事でなるべく小さく作ってみました。ケーブル本来のシールドを活かすため被覆を剥ぐのを最小限に、シールドは以前は気付かなかったドレイン線をプラグと繋ぎました。100μFのバッファは付けるスペースがありませんでした。
色々ギリギリな状況ですがなんとか収まり音を出すとプチノイズは少なめ控えめです。またしてもゴールデンタイムなだけだと思うので様子を見ます。…しばらくしても少ないままです。少し戻った感はありますが。
今までで一番効果があったように思います。
その後絶縁テープで保護して銅箔テープを巻きシールドにショートさせてみたところ若干効果が増したような、変わらないような。
電源を5V固定
唐突ですがDCDCコンバーターを可変型のMPM80から固定型のMPM82にかえて電源入力部直近に配置して配線を短くします。これにより付属部品が減りコネクタを使わずケーブル直結に変更する事で省スペース化します。
また電源スイッチをDPDTからSPDTにして設置スペースを確保します。配線を短くする事でノイズを拾いにくくなるかもと言う目論見もありますが、可変型の必要が無くなったと言うのが大方の理由です。
MPM82と各配線を基板に取り付けます。そしてスイッチに繋いで設置しました。
そう言えば電圧はからなかったなーと思いつつ電源投入。無事音が出ました。プチノイズはかわらないですね。
そんな事よりサンケン電子からMPM80のページが消えています。製造廃止でしょうか…
シールド板で銅でしょう
悪足掻きの大本命、シールド板の設置です。
今回シールド用にt0.8mmの銅板を購入しました。が、何で切りましょうか?薄くて鋸では切りにくそうだし…
取り合えず寸法を出してけがきます。ナイフで表と裏両面に筋を入れて折れるかなと試してみたところ筋が浅かったのか駄目でした。
微妙に曲がったのを気にしない事にして結局ハンドニブラでニブる事にしました。
板から必要な形を切り出したら今度は折り曲げる位置に筋を掘ります。ナイフでけがいてから両刃鑢で筋を掘りました。
そしてバイスを使って筋に合わせて折り曲げます。0.8mmなんで手で簡単に折り曲げられます。最終的にはゴムハンマーで微調整、バリを鑢で軽く落としておきました。
これでシールド板全体の形が出来上がりました。あとは孔開けです。φ3.5mmの孔とM3のネジ穴を作りました。
M3のネジ穴にスペーサーをはんだ付けで固定します。が、銅板の割になかなかはんだが乗らなくて苦労しました。鑢で削って何とかはんだ付けできました。
このシールド板を取り付けるわけですが電気的に浮いた状態よりGNDを繋いだ方が良いだろうと言う事で、GNDと繋ぐケーブルを作りました。シールド板を挟めるクリップにワイヤを取り付けただけの物です。クリップはシャツを購入した時に台紙との固定に付属していたものです。なかなか良いので単体で売ってないですかね。
GNDはDCジャックから取る事にしました。それが手っ取り早かったので。シールド板は問題無く取り付けられましたが念のため一部絶縁テープで絶縁しておきました。
音を出してみるとプチノイズがはっきりとわかるぐらいに減りました。とは言えゼロには程遠い感じです。残念無念…
まだだ、まだ終わらんよ
プチノイズの原因がUSBからの伝導ノイズと放射ノイズだろうと言う事で対策してきましたがDAC ICの電源と言うのも頭の隅にありました。
192kHz(384kHzか352.8kHz以外)だと内部でサンプリングレート変換でもして電力要求がシビアになるのかなと。曲データによる電力の変動の違いからよく発生するデータとそうでない物があるのかなと。そう言った見立ても一応はしていました。でも、それなら毎回同じ箇所で発生するだろうからちょっと違うかなと言う事で除外していました。
DAC ICへの電力はAZ1117Cと言う3.3Vのレギュレーターから供給されています。以前この出力部のコンデンサを100μFから47μFに変更しましたがこれで容量不足と言う事はないと思います。
AZ1117Cのデータシートを見ると出力には22μFの例示があり最低でも10μFを使えとあります。
The AZ1117C is compatible with low ESR ceramic capacitor.
The ESR of the output capacitors must be less than 20Ω.
A minimum of 10µF output capacitor is required.
だそうです。低ESRのセラミックコンデンサが適合とあり入力にも10μF入ってますね。
ん?そんなもんあったっけ?
確かめると出力側に10μFのMLCCはありますね。電解コンデンサの更に先ですけど。えーっと、入力側は…
つべこべ言ってないでMLCCを追加します。入力側に10μF(X7S)、出力側に0.01μF(C0G)を取り付けます。出力側は低ESRの電解コンデンサもあって一応その先に10μFのMLCCもあるのでおまじないと言う事で。
MLCCを追加して音出ししてみると少し改善しました。と言ってもこの時にシールド板がケースにショートしそうな箇所*3を見つけて絶縁テープを貼ったのでそっちの効果の可能性もあります。
プチノイズは頻度が微妙に減って音自体が控えめになりました。
しばらく使ってみてもう少し何とかならないかと出力側にも10μFを追加してみましたが特に変わりません。容量の問題なら10μF増量で変化があるでしょうから、やはり容量は足りてるんでしょう。
御手上げ棚上げそれどころじゃねえ
できる手は全て打ったと言う感じです。とは言えUSBコネクタ部分の改善はちょっと頭にあります。もう少しコンパクトにしてシールドを強化できれば良いのかなと。
AliExpressで小さいUSBプラグを見つけたので注文しておきました。これが届き次第実行しようと思います。
それまではこれ以上できる事は無いように思います。プチノイズは当初から思えばゼロにはならない物の大幅に改善しています。当初からこのぐらいなら気にならなかったかも知れませんが、ここ数日間プチノイズに耳を澄ませ続けた結果、わずかなプチノイズも気になる耳になってしまいました。本末転倒ですね。
と言う事で既定の出力を32bit 352.8kHzにしました。384kHzじゃないのは恐らくほとんどのソースが44.1kHzだからです。起動しないソフトは仮想デバイスを割り当てて回避です。DACのリセットスイッチ押しっぱなしで起動してから離すと言う手もあります。
となるとここ数日何をしていたんだと言う話ですが、当初から考えていたリセットスイッチとインジケーターは便利です。結果的に音質も向上した事ですしそれなりの着地点は見いだせたと思います。
正直そんな事より本日発売のSEKIROの事が気になって… 予約済みなのでこれからダウンロードします。
蛇足
実はちょっと実験してた
USB周りが怪しいので実験用USBプラグを作ったりしてました。丸ピンソケットでパスコンを色々試せるようになっています。
まずはMLCC 4700pF(C0G)から。早速プチノイズが減少しました。1000pFにすると少し増えたので容量を増やして0.01μFにしても同様でした。誤差みたいなもんですが。
ともかく4700pFが効くと言う事ではんだ付けして100μFのバッファも付けました。バッファを付けてもプチノイズが減ったかどうかは微妙です。
ソケットが開いたので今度はそこに指月 SMC 0.33μFを挿すと更に減ります。ところで指月 SMCは製造廃止なんでしょうか。各所で取り扱い終了だったり在庫限りだったりします。好きなのに…
これを実験プラグ1号とします。
そして実験プラグ2号も作ってみました。シールド用の銅箔テープと一緒にUSB POWER LOADERなる物を注文してこれを改造しました。
セメント抵抗を取り外して電源部分にパスコンとしてMLCC 4700pF(C0G)と指月 SMC 0.33μFを追加。信号線は繋がっていないので適当な線で繋いでファインメットビーズを嚙ませます。
やはり効果はあるようです。とは言えファインメットビーズの効果は無いように思います。実験プラグ1号とかわらないので。
ノイズはUSBのVBUSやGNDからやってくるんでしょう。
384kHzなんて聞こえないよね
私が32bitの高サンプリングレートにこだわる理由は、ビット落ち対策とサンプリングレート変換時の劣化回避です。
音質的にはCDの16bit 44.1(22)kHzで十分であると思います。
ただPC(Windows)で色んな音を再生する場合、再生デバイスが1つである以上は常に1つのbit数、サンプリングレートになるわけです。再生する音のbit数が違おうがサンプリングレートが違おうが、PCとDAC間は常に既定の出力で設定した形式です。しかも同時に複数の違う形式の音を再生できないといけません。
これを実現するためにPC内部でこれらの形式の変換を伴うミキシングが行われるわけですが、この時の劣化を最小限に抑えるのが高サンプリングレート出力です。逆にこのミキシングをパスするのがWASAPI排他モードと言うわけです。音源とデバイスを1対1で繋げば劣化はありません。
ただWASAPI排他モードはデバイスが再生する音源に固定されてしまうので使い勝手が良くありません。再生専用機ならともかく常用しているPCで、となるとね。
だから既定の出力で高サンプリングレートを設定しておく必要があります。
またPC側で音量を下げるとビット落ちが発生します。ソースが16bitでも音量を下げると12bitになったりしてしまいます。そのため最低でも24bit出力する事が大事です。これなら8bit落ちても16bitですからね。
実用上は24bitで十分だと思います。ただ私の環境では32bit出力より音が若干曇る感じがします。*4 それにサンプリングレートが最低でも192(176.4)kHzとなるとUSB Audio Class 2.0の範疇になるので敢えて24bitを選択しなくてもね。
32bitならアナログボリュームなんて無くしてPC上でボリュームコントロールした方が音は良いわけです。アナログボリュームの方が使い勝手が良いのでやりませんが。
最終出力ならCDの16bit 44.1kHzで十分なんです。ただPCだと内部で加工がなされるのでそれを踏まえると、と言う話です。
以上蛇足な話でした。