USB DAC改良しました

DAC外観
DAC外観

実はUSB DACに問題がありまして時々プチノイズが入ってしまいます最近既定の出力を32bit 192kHzにするようになって発覚しました

32bit 384kHzなら問題無いんですが一部ゲームが起動しなかったり音が出なかったりして32bit 192kHzにしてみたら解決したので以来32bit 192kHzを使っています音質的な違いはわかりません

それまでも低頻度ですが一瞬音がヨレるような事はありました32bit 384kHzなら転送がシビアで仕方ないと思っていましたがそれに加えてプチノイズですデータ欠けなんかで起きるデジタル由来のノイズだと思いますがその頻度がまあまあだったので流石に気になり解決してみようと言う試みです

ノイズの出づる

今回より高い転送レートを要求する32bit 384kHzでは殆ど起きていないので転送レート以外が原因でしょう

ストリーミング再生だとよく発生しかつ曲によって結構差があるのでPC側の問題のような気もします

一応確認のため32bit 384kHzにしてよく聞いてみるとまれにプチノイズが入りますしかも192kHzの時より小さいノイズですこれぐらいなら気付かないので良いんですが

CD音源をWASAPI排他モードで聞いてる時は発生しませんあれ発生したかもと言う感じが無くも無いんですがいまいち確認できないです

予めアプリケーション側で192kHzに変換して再生しても発生状況は変わらないのでWindowsのサンプリングレート変換が原因と言うわけでもなさそうです

ストリーミング再生で特に入るのでWiFiをUSBで使っている影響もありそうな気はします

以下の動画がかなりプチノイズが入るのでこの動画をメインにテストします

The Phantom of the Opera - Prague Cello Quartet [Official video]

迷走敗走もう負けそう

プチノイズを取り除くために色々と試しましたが試行錯誤と言うより迷走ですなので結果として有効だと言える事とDACの音質向上に関して先に記しておきます

原因は主にDAC ICのES9018K2Mが放射ノイズを拾っていた事にあると思いますUSBプラグ部分のシールドが甘くDAC ICの直近である事が災いしていますなのでUSBケーブルやコネクタのシールドをしっかりした物にDAC基板全体を覆うようなシールド板を設置する事で改善しましたが残念ながらプチノイズを完全になくす事はできませんでした

プチノイズとは別にDAC基板上に手を入れた結果音が良くなりました電源入力部分のフィルターと思しきトランジスタ2つを外して入力された電源をそのまま使った方が音がかなり良いですもちろん入力される電源の質に左右されますが外してみると今まで勿体ない事になってたとわかります

改良計画はお手頃価格

USB DACの改良で多少は改善が見込めると思います例えばI2S転送もDACに付いてたおまけケーブルなのでそれ程良い状況とは言えません

と言う事でI2S転送の改善をメインに色々弄ってみます丁度インジケーターとリセットスイッチを取り付けたいと思っていたのでそれらも同時に行います

I2Sアイソレータの導入

I2S転送を改善させるのにケーブルの変更は必須としても元々距離が短い事を考えるとケーブルの質の改善よりアイソレータの導入が効果的かと思います

アイソレータつまり絶縁器の事ですがI2S信号の送り手であるDDCと受け手であるDACの間に入れて双方を電気的に絶縁させられますDDCのCombo384のデータシートにも記載がありそこではISO7640FMが例として挙げられています回路図を見ても信号直結と単純なのでこれを利用する事にします

I2Sアイソレータで電源も絶縁される

I2Sアイソレータの良いところは電源も絶縁するところですDDC側の電源とDAC側の電源を絶縁して完全に分離できますGNDの共通化をする必要がありません

と言う事は現状でDDCの電源をDACから引き込んでいるのでそれも修正しなければいけませんUSBから電源を貰えば良いだけなんですがそうするとDAC本体と電源が連動できなくなります

DDCとDACの電源連動はあくまでDDC再起動のための物なのでDDC再起動用のリセット機能を付けますリセット機能自体はDDC本体への改造は私には無理なのでUSBの電源遮断機能で実現しますこのリセット機能はプチノイズとは別に欲しかったものです

リセットスイッチはモーメンタリ

リセットスイッチはモーメンタリのプッシュスイッチにしますしかしモーメンタリのプッシュスイッチはその多くがプッシュでONですA接点と言う奴ですね逆に通常時導通していてプッシュした時だけ遮断すると言うリセットスイッチに適したB接点のスイッチはかなり限られます

と言う事で入手性も良く種類の多いA接点のスイッチを使う事にしますリレーを使って逆の動作にさせれば良いだけです

インジケーターで自己表現

ついでにインジケーターを設置したいと思いますと言ってもパイロットランプとUSBが接続状態にあるかの2つのLEDだけです

Combo384にはいくつかの状態取得用のポートがありますマイコンなんかで読まなきゃいけないんだろうと思っていたら単純に3.3Vが出力されているだけらしくLEDを繋げば光りますポート1のCable PluggedにLEDを繋げばUSBが接続状態なら光ります

パイロットランプは電源スイッチに連動していればどこから取っても良いですね配線はその時都合で考える事にしましょう

改善依然全然不全

USBリセット回路で何度でも蘇るさ

まずはDDCを簡単に再起動できるようにUSB電源遮断回路つまりリセット回路を作ります

リセットスイッチを押した時に電源が遮断できれば良いのでB接点のプッシュスイッチを使えばそれで解決なんですが敢えてA接点を使いますそこで必要になるのがこの回路です

USBのVBUS(電源)でリレーを動作させそのリレーによってVBUSをその先に通すかどうかをコントロールしますこの時リレーの制御側の端子をショートさせればリレーは動作しなくなりVBUSが遮断されると言う仕組みです

使うリレーは機械式が好みですが消費電力とサイズが大きいのでフォトリレーにします低消費電力で動作して小型なので組み込みやすいです秋月で東芝のTLP225A(F)を購入しました東芝の製品ページによると新規設計非推奨ですねもう使っちゃったよ…

TLP225Aの使い方ですが1番と2番ピンが制御側で3番と4番ピンが出力側になりますこの制御側に適当に電流を流せば出力側が導通しますトリガLED電流:5mA(最大)とあるので制御側に5mA以上流せば良いと言う事ですフォトカプラの特性 トリガLED電流

必要な電流を流すのに計算があるんですが面倒なので10mAのCRD(定電流ダイオード)を使います

VBUSから3番ピン3番ピンからCRD経由で1番ピン2番ピンをGND4番ピンからVBUS出力そして1番ピンと2番ピンをスイッチでショートさせればVBUS遮断制御側の電源をDACから引っ張ってくれば連動するようになるんですけどこれ以上配線が増えるのも嫌です何しろ狭小筐体なもので

と言う事で作ってみましたUSBプラグ基板に丸ピンソケットを付けてスタックして使いますテスト用にタクトスイッチを取り付けました秋月で2ピンの物を注文したら4ピンの物が送られてきましたこれのせいで予定より基板が大きくなってしまいました

USBプラグとリセット回路
USBプラグとリセット回路
リセット回路裏面
リセット回路裏面

更にUSBジャックをスタックしてUSBライトでLチカしてみますUSBを繋いで点灯スイッチを押して消灯何回かチカチカさせてテスト終了です

リセット回路でLチカ
リセット回路でLチカ

USBケーブルは小さくまとめろ

リセット回路に挿せるUSBケーブルを作りますUSB BコネクタがL型のCOMON 2B-R015を改造しますフタバヤで購入しました今まで使っていた物も同じ物です

メスの方を切り落として被覆を剥いでシールドも一旦めくります

電源と信号をそれぞれツイストペアにしますUSBケーブルは赤がVBUS黒がGND緑がD+白がD-と仕様で決まっていますが一応テスターで確認しました

シールドはホイルと編組チューブと言うしっかりした作りですがケーブルの取り回しが悪いのでホイルのみ残して他は切除しましたそしてホイルを信号線のみに巻きました

改造前ケーブル
改造前ケーブル
ケーブルを引ん剝く
ケーブルを引ん剝く
電源と信号をツイストペア
電源と信号をツイストペア
ホイルで再シールド
ホイルで再シールド

最後に丸ピンソケットを取り付けてアセテート布絶縁テープを巻いて終了です

なんですが長くて硬くてケースが閉まりません一応接続テストは問題無くリセットも正しく機能しました

はみだしケーブル情熱系
はみだしケーブル情熱系

ケースが閉まらなくてはしょうがないので最短のケーブルを作りました強度確保と撚れを解決するため極小基板を挟み込むように配線しました

最短ケーブルしょんぼり系
最短ケーブルしょんぼり系

アイソレーターで愛想が尽きて絶縁状態に

アイソレーター回路を作りますCombo384の説明書にある通りISO7640FMを使います

回路と言っても信号は直結で入出力双方の電源に0.1μFのパスコンを入れるだけですまたCombo384の説明書では省かれているんですがISO7640FMのデータシートによると2番と15番ピンにもGNDを繋いでいるのでそれに倣います

ISO7640FMは共立エレショップDIPにする変換基板も一緒に購入しました

まずは変換基板にISO7640FMをはんだ付けします入力側に丸ピンソケット出力側にL型ピンヘッダと電源用のXHコネクタ付きケーブル入出力にMLCC 0.1μF(X7R)をパスコンとしてはんだ付けMLCCの足を利用して2番から8番ピン15番から9番ピンへとGNDを橋渡し16番と10番ピンもワイヤで橋渡します

アイソレーターICと変換基板
アイソレーターICと変換基板
パイルダーオン
パイルダーオン
アイソレーター回路完成
アイソレーター回路完成
アイソレーター回路裏面
アイソレーター回路裏面

これでアイソレーター回路は完成です


ワイヤだろうがコードだろうがケーブルだろうがとどのつまり電線だ

内部ケーブル類
内部ケーブル類

I2Sケーブルスイッチとリセット回路を繋ぐケーブルインジケーター用のケーブルを作ります

I2Sケーブルは8芯のフラットケーブルをそのまま使いますコネクタ部分は丸ピンソケットです

GND, DATA, BCLK, GND, FSCLK, MCLK, GND, 3.3V と言う並びです全ての信号に対してGNDが隣にあるように配置しましたGNDはアイソレーター側では1つにまとめられますMCLKはこのDACには要らないんですが取り合えず繋げときます

リセットケーブルは単純に2芯をスイッチと繋ぐだけですまたインジケーター用も同様ですがこちらは極性があります

リセットスイッチにはミヤマ電器のMS-402を使いますアイソレーターと一緒に共立エレショップで購入しました

今回各種ケーブル作成のためにワイヤーストリッパーをAmazonで購入しましたちょっと重いけどこれであなたもヒーローに

ワイヤーストリッパー
ワイヤーストリッパー

PAW01/マルチワイヤーストリッパー


LEDだって立派なインジケーター

インジケーターはLEDが光るだけの単純な物ですDACの電源とDDCのCable Pluggedに対応します

LEDはaitendoで購入した3mmの平頭型LEDですこのLEDの緑を使います定格が20mAなんですがそんなに流すと眩しそうなので手持ちの5.6mAのCRDを繋ぎます

小型基板にCRDとLED用のスペーサーをはかせてLEDを取り付けます入力は丸ピンソケットです

インジケーター完成
インジケーター完成

フロントパネル再加工

フロントパネルにリセットスイッチとLED用の孔を開けます

リセットスイッチは5mmの孔をドリルで開けてからバリ取りや鑢でスイッチが入るように調整LED用の孔は3㎜のドリルを使いましたがバリ取りが入らないのでニッパーでバリを切り取って鑢でなんとかLEDが嵌るように整えました

スイッチは孔を通ればナットで固定するだけです一方のインジケーターの固定は考えていませんでしたがこの孔に嵌めると簡単には動かないのでただ嵌めたままです

フロントパネルに追加孔開け
フロントパネルに追加孔開け
リセットスイッチとインジケーター取り付け
リセットスイッチとインジケーター取り付け

DACへの組み込みでやっぱり躓く

DDCへ供給していた5Vのレギュレーターを3.3Vに変更します

DDCをバスパワーで動作させるため5Vが必要なくなったのとアイソレーターの出力側の電源に3.3Vが必要になったためですDAC上の3.3Vから取れば良いんですがせっかくパターンがあるので

使用している5VのレギュレーターがTA4805Sなので3.3Vのレギュレーターには同シリーズの東芝のTA48033Sを使います

レギュレーターは足を切って取り除き交換しました最初レギュレーターを綺麗に取り除こうとあれこれ熱をあて過ぎたので念のため入力に付けていたMLCCも新しい物に交換しました

次にDAC上のI2S用コネクタを取り除きます食い切りで大雑把に壊して残ったプラ部分をニッパーで切り離してピンのみの状態にしてから1本づつ取り除きました

このコネクタ部分にアイソレーター回路を取り付けますアイソレーター回路に生やした足はGNDを含まない4本なのでそれを全てはんだ付けですMCLKは使わないので3本でも良いんですが強度確保のために4本にしました

これでDACの準備が完了したのでケースに戻してUSBレセプタクルにリセット回路を装着します

組付け
組付け
USBリセット回路が邪魔っぽい
USBリセット回路が邪魔っぽい

これはちょっと…

I2Sアイソレーターの入力側ソケット付近と干渉します無理やり取り付けられなくは無いですがケーブルがリセットスイッチを押してしまいそうです

こんな事もあろうかとUSBケーブルの予備を用意していたので省スペースなリセッタブルUSBケーブルを作りました基板上のリセットスイッチも排して最小構成です

新たなるUSBケーブル
新たなるUSBケーブル

USBケーブルを作ってばっかりな気がしますが取り合えず材料が揃ったので全て組み込んで音出しです

そうそうDDCはケーブル直結でしたが新しいケーブルはコネクタが丸ピンなので丸ピンソケットを取り付けておきました

DDCに丸ピンソケット
DDCに丸ピンソケット

音出ししたけど…

一先ず収めて
一先ず収めて
電源投入
電源投入

最初音が出なくて焦りましたが電源スイッチを入れてなかっただけでしたちゃんと電源を入れて一応リセットスイッチを押してCable Pluggedインジケーターの消灯を確認してDDCも再起動ですインジケーター眩しい…

音はかわりませんそう言った類の改造ではないですしねGNDが分離される事によって可能性として無くは無いですが

肝心のプチノイズは減ったかなぐらいには減りましたGND分離の効果かI2S転送の改善か…

ともかく当初のおまけケーブルより精神衛生上は良いですね

交換如何オペアンプ

OPA2350UA
OPA2350UA

取り合えずこんな物だろうと言う事で以前DAC用に買っておいたオペアンプを試してみる事にします

LMC6482AINに不満は無いんですがやっぱりスペックが気になりまして高速高精度な物だともっと良いのかなと恐らく入出力Rail to Railと相性が良さそうなのでそれら3条件に当てはまるOPA2350UAを購入していたので試してみます電圧が最大で5.5VですがこのDACは4.5Vと低電圧なので問題無く使えます

交換して聞いてみると違いがいまいちわかりませんエージングしてからよく聞くとディティールが良くなっています特にザラついた音の表現が良く今までは曖昧だったと気づきました高速高精度の恩恵ですねスペックは伊達じゃないと言う事です

ボーカルのザラつき具合が良かった動画を紹介します貫禄が…

BATTLE BEAST - No More Hollywood Endings (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

諦めの悪いのが取り柄でございます

一応プチノイズは減らせました減らせましたがやっぱり実用するにはとても…と言う感じなのでもう少し悪足掻きしてみます

USBのシールドはPCのFG

DACのケースに繋がってるUSBのシールドが気になってましたDACのケースの開け閉めの際にPCとDDCが切り離されたりディスプレイがブラックアウトするので

試しにPCのUSBポートのGNDと外枠の抵抗をテスターではかると15Ωから徐々に2Ωまで下がりましたGNDとの間にコンデンサを挟んでいるんでしょうこのUSBの外枠がPCのFGと繋がっていてディスプレイのブラックアウトの原因になるんでしょう

またUSBハブから繋いでいたDACを延長ケーブルを使いPCに直結してみると安定しない*1ようでCable Pluggedインジケーターが点滅しました

この不安定な状態でアイソレーター入力部のGNDとケースをコンデンサで繋ぐと少し安定しますまたUSBのVBUSにバッファ用のコンデンサ100μFを追加しても少し安定しました

試しにアイソレーター入力部のGNDとケースをMLCC 4700pF(C0G)で繋ぎましたプチノイズは増えたような…

MLCCでGNDとFGを接続
MLCCでGNDとFGを接続
USBケーブルにバッファ追加
USBケーブルにバッファ追加

USBプラグ部分にもGNDとシールドを繋ぐMLCC 4700pF(C0G)を追加してみましたが特に変化はありません

三歩進んで 二歩さがる

PC直結時にUSBケーブルをELECOMのオーディオ用の物からCOMONの普通の物へ変更したらそっちの方が安定していたのでCOMONの普通のケーブルに変更しました

救世主現る

救世主?
救世主?

どうしたもんか悩んでいると先日のトランス式電源用に注文していた3Pコードが届きました

電源コードをこれに取り替えると嘘のようにプチノイズが消えました極性なのかアース線なのか…

繋いで良かったアース線

こりゃ完全に解決だわって思って犬の散歩へ行って帰ってきたらやっぱりプチノイズが出てました人生そんなもんです

とは言え少しはマシになったような二歩さがっただけです

再考難航勘考決行

現時点での状態
現時点での状態

ノイズの原因は不明なままですがいずれにせよ内部のシールドを強化しようと思います一番怪しいのはUSBの引き込み口だと思いますDAC ICの直近ですし


その前に

ふとDACの電源回りのトランジスタが邪魔だよなあ

多分脈流用フィルタのLPFだと思うんですがいやこれ絶対要らないよ*2

と言う事で取り除く事にします小さい方は2N5551と言うトランジスタ大きい方のBD139はパワートランジスタで双方NPN型です抵抗とコンデンサでカットオフ周波数が決まると思いますそのコンデンサも邪魔なので外しておきます抵抗はそのままで良いでしょう

トランジスタは足を切って切除ですコンデンサは一応丁寧に外しました

このままだと電源がDAC回路に供給されないのでBD139のエミッタとコレクタにあたる位置をジャンパしておきます

エミッタとコレクタをジャンパ
エミッタとコレクタをジャンパ

この回路による電圧降下が起きないのでオペアンプにも入力された約6.6Vがそのまま入りますこのままだと最大電圧5.5VのOPA2350UAが壊れそうなので4.5VになるようにDCDCコンバーターを調整します

そして音を出してみると…良くなってる

気のせいレベルじゃなくて明らかに音が良くなりました解像度や定位が良くなり低音が力強く引き締まる電源の改善をした時のパターンだと思います

電源回りを弄った時に真っ先にやっておくべきでした

この一連の作業中電源入力部の無理やり立たせているチップコンデンサの足がもげそうな事に気付いたので交換します同じ事態にならないように適当な基板に足を取り付けてそこに表面実装しました斜めに傾いていますが強度はあります

チップ電解コンデンサに足
チップ電解コンデンサに足
見た目は悪いが強度十分
見た目は悪いが強度十分

これをもげそうなコンデンサと交換しましたあれプチノイズが消えましたよ

それっぽいノイズは聞こえるんですがかなり控えめで頻度としては無視できるレベルにまで下がりましたいや待て今は電源コードをかえたのと同じ時間帯だ話は犬の散歩が終わってから…

やっぱりプチノイズが戻ってきましたよとは言え頻度は減った感じです足がアンテナ化でもしてたんでしょうか

力強く引き締まった低音を味わえる動画を紹介しておきます解脱しそう

スネ夫が真言を唱えている時に流れている曲(フル)


USB 2.0

USB DACはUSB 2.0の方が安定すると言う話を目にしたのでUSB 2.0ポートから3mのケーブルで繋いでみたけど特に変化がありません試しに標準ドライバにしてみても相変わらず定期的なノイズが入ります

取り合えずUSB2.0ポートから3mのケーブルで手持ちのUSB 2.0ハブに繋いでそこから再びELECOMのオーディオ用USBケーブルで接続する事にしました

特に変化は無いです


なんどめだUSBケーブル

改めてCombo384を見るとGNDとシールド間をコンデンサと抵抗を並列にして繋いでいました回路図では1000pFと1MΩですUSBケーブルはちゃんとシールドを繋いでアイソレーター部分で繋ぐのを止めた方が良さそうですまたケーブルを作らないと…

リセット回路のCRDを15mAにしました使った10mAのCRDを外すのが面倒なもんでフォトリレーはスペアが無いので外して使いまわしです

と言う事でなるべく小さく作ってみましたケーブル本来のシールドを活かすため被覆を剥ぐのを最小限にシールドは以前は気付かなかったドレイン線をプラグと繋ぎました100μFのバッファは付けるスペースがありませんでした

リセット回路付きUSBケーブル
リセット回路付きUSBケーブル
ギリギリ実装
ギリギリ実装

色々ギリギリな状況ですがなんとか収まり音を出すとプチノイズは少なめ控えめですまたしてもゴールデンタイムなだけだと思うので様子を見ます…しばらくしても少ないままです少し戻った感はありますが

今までで一番効果があったように思います

その後絶縁テープで保護して銅箔テープを巻きシールドにショートさせてみたところ若干効果が増したような変わらないような

テープで絶縁
テープで絶縁
銅箔テープでシールド形成
銅箔テープでシールド形成
更にテープで絶縁
更にテープで絶縁

電源を5V固定

唐突ですがDCDCコンバーターを可変型のMPM80から固定型のMPM82にかえて電源入力部直近に配置して配線を短くしますこれにより付属部品が減りコネクタを使わずケーブル直結に変更する事で省スペース化します

また電源スイッチをDPDTからSPDTにして設置スペースを確保します配線を短くする事でノイズを拾いにくくなるかもと言う目論見もありますが可変型の必要が無くなったと言うのが大方の理由です

MPM82と各配線を基板に取り付けますそしてスイッチに繋いで設置しました

MPM82基板
MPM82基板
MPM82基板裏面
MPM82基板裏面
スイッチとともに実装
スイッチとともに実装

そう言えば電圧はからなかったなーと思いつつ電源投入無事音が出ましたプチノイズはかわらないですね

そんな事よりサンケン電子からMPM80のページが消えています製造廃止でしょうか…


シールド板で銅でしょう

悪足掻きの大本命シールド板の設置です

今回シールド用にt0.8mmの銅板を購入しました何で切りましょうか薄くて鋸では切りにくそうだし…

取り合えず寸法を出してけがきますナイフで表と裏両面に筋を入れて折れるかなと試してみたところ筋が浅かったのか駄目でした

微妙に曲がったのを気にしない事にして結局ハンドニブラでニブる事にしました

大まかに切り取る
大まかに切り取る
形作る
形作る

板から必要な形を切り出したら今度は折り曲げる位置に筋を掘りますナイフでけがいてから両刃鑢で筋を掘りました

折り曲げ位置に筋を掘る
折り曲げ位置に筋を掘る

そしてバイスを使って筋に合わせて折り曲げます0.8mmなんで手で簡単に折り曲げられます最終的にはゴムハンマーで微調整バリを鑢で軽く落としておきました

バイスに挟んで
バイスに挟んで
折る
折る
再びバイスに挟んで
再びバイスに挟んで
もう一度折る
もう一度折る

これでシールド板全体の形が出来上がりましたあとは孔開けですφ3.5mmの孔とM3のネジ穴を作りました

折り曲げたシールド板
折り曲げたシールド板
孔開け
孔開け

M3のネジ穴にスペーサーをはんだ付けで固定します銅板の割になかなかはんだが乗らなくて苦労しました鑢で削って何とかはんだ付けできました

スペーサーはんだ付け
スペーサーはんだ付け

このシールド板を取り付けるわけですが電気的に浮いた状態よりGNDを繋いだ方が良いだろうと言う事でGNDと繋ぐケーブルを作りましたシールド板を挟めるクリップにワイヤを取り付けただけの物ですクリップはシャツを購入した時に台紙との固定に付属していたものですなかなか良いので単体で売ってないですかね

シールド用ケーブル
シールド用ケーブル

GNDはDCジャックから取る事にしましたそれが手っ取り早かったのでシールド板は問題無く取り付けられましたが念のため一部絶縁テープで絶縁しておきました

シールド板設置
シールド板設置
なんかすっきりした?
なんかすっきりした?

音を出してみるとプチノイズがはっきりとわかるぐらいに減りましたとは言えゼロには程遠い感じです残念無念…


まだだまだ終わらんよ

プチノイズの原因がUSBからの伝導ノイズと放射ノイズだろうと言う事で対策してきましたがDAC ICの電源と言うのも頭の隅にありました

192kHz(384kHzか352.8kHz以外)だと内部でサンプリングレート変換でもして電力要求がシビアになるのかなと曲データによる電力の変動の違いからよく発生するデータとそうでない物があるのかなとそう言った見立ても一応はしていましたでもそれなら毎回同じ箇所で発生するだろうからちょっと違うかなと言う事で除外していました

DAC ICへの電力はAZ1117Cと言う3.3Vのレギュレーターから供給されています以前この出力部のコンデンサを100μFから47μFに変更しましたがこれで容量不足と言う事はないと思います

AZ1117Cのデータシートを見ると出力には22μFの例示があり最低でも10μFを使えとあります

The AZ1117C is compatible with low ESR ceramic capacitor.

The ESR of the output capacitors must be less than 20Ω.

A minimum of 10µF output capacitor is required.

だそうです低ESRのセラミックコンデンサが適合とあり入力にも10μF入ってますね

そんなもんあったっけ

確かめると出力側に10μFのMLCCはありますね電解コンデンサの更に先ですけどえーっと入力側は…

つべこべ言ってないでMLCCを追加します入力側に10μF(X7S)出力側に0.01μF(C0G)を取り付けます出力側は低ESRの電解コンデンサもあって一応その先に10μFのMLCCもあるのでおまじないと言う事で

入力に10μFを追加
入力に10μFを追加
出力には0.01μFでおまじない
出力には0.01μFでおまじない

MLCCを追加して音出ししてみると少し改善しましたと言ってもこの時にシールド板がケースにショートしそうな箇所*3を見つけて絶縁テープを貼ったのでそっちの効果の可能性もあります

プチノイズは頻度が微妙に減って音自体が控えめになりました

しばらく使ってみてもう少し何とかならないかと出力側にも10μFを追加してみましたが特に変わりません容量の問題なら10μF増量で変化があるでしょうからやはり容量は足りてるんでしょう

10μFを更に追加
10μFを更に追加

御手上げ棚上げそれどころじゃねえ

できる手は全て打ったと言う感じですとは言えUSBコネクタ部分の改善はちょっと頭にありますもう少しコンパクトにしてシールドを強化できれば良いのかなと

AliExpressで小さいUSBプラグを見つけたので注文しておきましたこれが届き次第実行しようと思います

それまではこれ以上できる事は無いように思いますプチノイズは当初から思えばゼロにはならない物の大幅に改善しています当初からこのぐらいなら気にならなかったかも知れませんがここ数日間プチノイズに耳を澄ませ続けた結果わずかなプチノイズも気になる耳になってしまいました本末転倒ですね

と言う事で既定の出力を32bit 352.8kHzにしました384kHzじゃないのは恐らくほとんどのソースが44.1kHzだからです起動しないソフトは仮想デバイスを割り当てて回避ですDACのリセットスイッチ押しっぱなしで起動してから離すと言う手もあります

となるとここ数日何をしていたんだと言う話ですが当初から考えていたリセットスイッチとインジケーターは便利です結果的に音質も向上した事ですしそれなりの着地点は見いだせたと思います

正直そんな事より本日発売のSEKIROの事が気になって… 予約済みなのでこれからダウンロードします

蛇足

実はちょっと実験してた

USB周りが怪しいので実験用USBプラグを作ったりしてました丸ピンソケットでパスコンを色々試せるようになっています

まずはMLCC 4700pF(C0G)から早速プチノイズが減少しました1000pFにすると少し増えたので容量を増やして0.01μFにしても同様でした誤差みたいなもんですが

ともかく4700pFが効くと言う事ではんだ付けして100μFのバッファも付けましたバッファを付けてもプチノイズが減ったかどうかは微妙です

テストプラグ
テストプラグ

ソケットが開いたので今度はそこに指月 SMC 0.33μFを挿すと更に減りますところで指月 SMCは製造廃止なんでしょうか各所で取り扱い終了だったり在庫限りだったりします好きなのに…

これを実験プラグ1号とします

そして実験プラグ2号も作ってみましたシールド用の銅箔テープと一緒にUSB POWER LOADERなる物を注文してこれを改造しました

テストプラグ2
テストプラグ2
テストプラグ2裏面
テストプラグ2裏面

セメント抵抗を取り外して電源部分にパスコンとしてMLCC 4700pF(C0G)と指月 SMC 0.33μFを追加信号線は繋がっていないので適当な線で繋いでファインメットビーズを嚙ませます

やはり効果はあるようですとは言えファインメットビーズの効果は無いように思います実験プラグ1号とかわらないので

ノイズはUSBのVBUSやGNDからやってくるんでしょう

384kHzなんて聞こえないよね

私が32bitの高サンプリングレートにこだわる理由はビット落ち対策とサンプリングレート変換時の劣化回避です

音質的にはCDの16bit 44.1(22)kHzで十分であると思います

ただPC(Windows)で色んな音を再生する場合再生デバイスが1つである以上は常に1つのbit数サンプリングレートになるわけです再生する音のbit数が違おうがサンプリングレートが違おうがPCとDAC間は常に既定の出力で設定した形式ですしかも同時に複数の違う形式の音を再生できないといけません

これを実現するためにPC内部でこれらの形式の変換を伴うミキシングが行われるわけですがこの時の劣化を最小限に抑えるのが高サンプリングレート出力です逆にこのミキシングをパスするのがWASAPI排他モードと言うわけです音源とデバイスを1対1で繋げば劣化はありません

ただWASAPI排他モードはデバイスが再生する音源に固定されてしまうので使い勝手が良くありません再生専用機ならともかく常用しているPCでとなるとね

だから既定の出力で高サンプリングレートを設定しておく必要があります

またPC側で音量を下げるとビット落ちが発生しますソースが16bitでも音量を下げると12bitになったりしてしまいますそのため最低でも24bit出力する事が大事ですこれなら8bit落ちても16bitですからね

実用上は24bitで十分だと思いますただ私の環境では32bit出力より音が若干曇る感じがします*4 それにサンプリングレートが最低でも192(176.4)kHzとなるとUSB Audio Class 2.0の範疇になるので敢えて24bitを選択しなくてもね

32bitならアナログボリュームなんて無くしてPC上でボリュームコントロールした方が音は良いわけですアナログボリュームの方が使い勝手が良いのでやりませんが

最終出力ならCDの16bit 44.1kHzで十分なんですただPCだと内部で加工がなされるのでそれを踏まえるとと言う話です

以上蛇足な話でした