パワーアンプのFX502S Proを色々と弄りました。
以前おま国かと揶揄していましたがもう1月以上前にFX502J-Sとして日本でも正規販売されていたようで、愛用のヘッドホンアンプ0db HyCAAの作者のたかじんさんも購入して早速弄っていたりして私も遅ればせながら色々手を入れてみようと。
あくまでFX502S Pro Rev.3での事ですがFX502J-Sでも大体共通していると思います。
解析分析当てずっぽう
弄る前に拙い知識と技術で解析します。TPA3250のデータシートを参考にしながら当てずっぽう解析です。弄ってみようと思うのは以下の通りです。
標準コンデンサはカップリング
標準コンデンサなので音と関係ないと思っていたら音質と直結するカップリングコンデンサでした。たかじんさんの記事で触れられていたので自分でも解析してみたら計6個全てがカップリングコンデンサでした。もうちょっと良いの使ってよ…*1
2個並んでいる2.2μFはオペアンプへの入力で直後の抵抗とでHPFになります。カットオフ周波数は3.3Hzなので十分です。例えば1μFにしても7.2Hzなので問題無いかと。フィルムコンデンサも使えそうですがパターンが隣接していて設置に工夫が要ります。
4個並んでいる10μFはオペアンプの出力カップリングコンデンサでこれを経てTPA3250へ入力されます。多分フィルタ回路にはなってないと思いますが未確認です。
ゲイン多過ぎオペアンプ
オペアンプは片方のチャンネルに対し1つでそれを2回通るようです。この1回目で音量が倍になります。2回目は未確認です。
私はアンプの前段にアッテネーターを入れてあるのでボリュームは9時から10時を主に使っていますが、何も挟まないと7時から8時だったりするようです。なのでいっそ等倍にした方が良いと思います。
入力抵抗が22kΩで帰還抵抗が45kΩなので帰還抵抗を22kΩにすれば増幅無しの等倍動作となります。その場合ユニティ・ゲインで安定(unity-gain stable)
なオペアンプでないと発振してしまうので使えるオペアンプは限られます。
オペアンプの電源は簡単な抵抗分圧回路なのでレールスプリッタICで電源の質を改善できるかもしれないと思ったんですが失敗しました。先に書いておきます。
レギュレーターはスイッチング
電源スイッチ近くのLM2596Sは12Vを作るスイッチングレギュレーターです。ここで作った12VをTPA3250に供給しますがこれはアンプ動作そのものには使われずIC内部のコントローラー用の電源のようです。そのため音と直接は関係無いと思います。
150kHz(110 - 173kHz)動作なのでその辺りのスイッチングノイズ対策(されてるとは思うけど)に周波数特性の良いコンデンサを並列に追加する等しても良いかもしれません。
ドーンとどデカいコンデンサ
2つの一番大きいコンデンサはTPA3250の電源平滑コンデンサです。電源は左右チャンネルに分岐されアンプ正面から見て左のコンデンサが左チャンネル、右のコンデンサが右チャンネルの電源に使われています。
データーシートだとこのコンデンサの容量は470μFです。多分多めに見積もっているでしょうからもっと少なくても良いかもしれません。1800μFは大き過ぎますよね。
LPF!LPF!
空芯コイルとフィルムコンデンサのLPFです。コイルの容量はわかりませんが多分データシートに則って10μHでしょう。NFJで単体で商品としても扱っていますし。
コイルは空芯コイルなので敢えて交換する事も無いと思います。*2
デジタルアンプICの出力は高周波のPWMなのでLPFを通す事で所謂スピーカー出力にしています。通さなくてもスピーカーは鳴るかも知れませんが同時に高周波のノイズを撒き散らす事になります。
データシートだと1μFのコンデンサと組み合わせてカットオフ周波数が50kHzになりますがこちらは0.83μFで55kHzです。大した違いはありません。
出力されるPWMをデータシートで見てみると450 - 600kHzっぽいです。何も50kHz程度のフィルタでなくても良さそうです。
結果をまとめてみた
あまり冗長にならないように先に結果をまとめておきます。*3 多少前後しますが概ねやった事順で記しておきます。
積層セラミックコンデンサは以下MLCCと表記します。使ったMLCCは全て村田のRDEシリーズです。
オペアンプ増幅量修正
帰還抵抗を22kΩにしたところボリュームがもう少し回せるようになり10時から11時を使う感じになりました。7時から8時の人なら8時から9時でしょうか。
ボリュームの抵抗が減ったため若干音に厚みが出て前に出てくるような印象ですがプラシーボ効果かも知れません。
入力カップリングコンデンサ
4.7μFのMLCC(X7S)に変更しました。X7Sの音が良いと言う話で使ってみました。容量は秋月で使えそうなのがこの容量だっただけです。
解像度が増して中域に若干艶が出ます。一方で中高域以上に硬さやガサつきを感じます。また低域が若干減りました。
この中高域以上の硬さやガサつきの原因は別の個所にあって次の作業で改善します。
スイッチングレギュレーター周りコンデンサ変更
入力側の330μFを220μFのチップ電解コンデンサ(ニチコン UR)に、出力側の100μFを47μFのMLCC(X7S)に変更しました。
入力カップリングコンデンサを交換して出ていた中高域以上の硬さやガサつきが無くなりました。
恐らくLM2596SのスイッチングノイズがTPA3250(或いは回路上の音声信号)に影響していたんだと思います。
TPA3250電源平滑コンデンサ
実は元々のコンデンサを外した方が音は良いです。やや硬さはありますが低域もしっかりして力強く解像度の高い音です。ただその代わりノイズが乗ります。これがこのICの本来の音でしょうからこの音を基準として踏まえコンデンサを交換しました。
いくつか試しましたが最終的に100μFのチップ電解コンデンサ(ルビコン SGV)に交換しました。コンデンサ無しに比べて硬さが少し取れます。解像度が高く低域もしっかり出ていて力強い音はコンデンサ無しと遜色無いです。
1日位エージングをすると低域がもっと出る…かも知れません。ECHUのエージングと同じタイミングなので勘違いかも知れないけど多分電源系の音の改善の仕方っぽかったので。
元々ついていたルビコン YXGは音に硬さが出ます。シャープネスをかけてエッジが強調されたような音になってしまいます。入力カップリングコンデンサが標準品の電解コンデンサだったのでそれでも成立していたように思います。
中間カップリングコンデンサ
オペアンプの出力、TPA3250の入力を兼ねるカップリングコンデンサを10μFのMLCC(X7S)に交換しました。
音に軽快さと速度感が出ますがほぼ変わりません。低域がやや減りますがいずれにしても気のせいレベルです。
ただこの時TPA3250の電源平滑に使っていたニチコン MUSE ESが支配的で何をやっても音の変化はあまり無かったように思います。その位影響力の強いコンデンサです。その後いくつか変更しましたがその時の感覚から言っても入力カップリングコンデンサ程には音に影響を与えないようです。多分。
出力部LPF
0.83μFのフィルムコンデンサから0.22μFのMLCC(X7R)と0.1μFのECHUを並列に組み合わせた物にしました。
解像度が高く厚みのある力強い音になります。低域も良く出ます。
ECHUはエージングにそれなりに時間がかかりますね。トータルで2日程かかった印象です。
全体として
別物になったと言えば別物になりました。が、基本的なキャラクターは大きく変わりません。低域から高域まで歯切れ良く出ると言う感じです。ただその質が大きく改善されています。
解像度や音の厚みや力強さが増しています。低域ももっと出るようになり定位も良くなりました。
スマホのスペアナだとハイ上がり気味のフラットと言う感じです。下は100Hzまできっちり出ていますがそれ以下はスピーカーの限界でゆるやかに下がっています。
オーディオ界では嫌われがちなMLCCですが特性(と言うか材質?)次第、適材適所に使えば安価で効果的だと思います。47μFは高かったけど…
改造点としてはまずTPA3250の電源平滑コンデンサを交換しておいた方が良いと思います。低ESRでそこそこ容量があれば何でも良いと思います。チップ電解コンデンサは概ね素直な音だと思いますし、試した限り東進 UTWRZも素直な良い音でした。
容量はデータシート通り470μFで良いと思います。それと一度はコンデンサを外した状態での音を聞いておくと改造の参考になります。
またスイッチングレギュレーターのノイズが取り切れていないようなので対策をしておいた方が良いです。*4 やはりおすすめは47μFのMLCC(X7S)への交換です。
この2点は何は無くともいう感じで真っ先にやっておいた方が良いと思います。そうしておくことで他のパーツの性格が素直に出ます。
他に音に影響の大きい個所としては出力部のLPFです。コンデンサは並列にもかかわらずこれによって音が大きく変わります。
次に影響の大きい個所として入力カップリングコンデンサです。ここは小容量で良いので選択肢は多いですがスペース的にMLCCやタンタルコンデンサが簡単でしょうか。
中間のカップリングコンデンサは手持ちで使えそうなパーツがあれば…と言う感じで良いと思います。
注意点
どうも基板のパターンが弱いようで破損しやすいです。それと出力LPFのフィルムコンデンサのスルーホールは小さくてはんだの除去が難しいです。除去しようと何度も熱をあてていてパターンが剥がれてしまいました。
弄ってみた
既に結果を記してあるので大体の流れを書いておきます。
手を入れるにあたり音質優先なのは言うまでもありませんが、一応テーマと言うか実験と言うか、2つやってみたい事がありましてそれに沿った物になっています。それは以下の2点です。
- 積層セラミックコンデンサ(以下MLCC)の積極的な利用
- 電源ラインのコンデンサ総量の減少
MLCCは物によっては音が良いと言う話でしたしMLCC(チップの方)に置き換えよう
って感じの記事を色々と見たので。*5
電源ラインでのコンデンサ総量の減少は常々そんなに要らなくない?と感じていたのもありますが、特にTIの記事を読んで感化されただけです。この記事って要するにお前らコンデンサ盛り過ぎ
って事なんだと私は理解しました。
オペアンプ周り
ゲイン減
帰還抵抗を入力抵抗と同じ22kΩに変更しました。使った抵抗はビスパの2012薄膜チップ抵抗で±0.5%と言う高精度な物です。音はプラシーボ効果位には。
入力カップリングコンデンサ
入力カップリングコンデンサを4.7μFのMLCC(X7S)に変更しました。音質変化は前述の通りでこの時ついでに入力抵抗も上記の抵抗に変更しました。元の物より音は良くなるだろうと。カップリングコンデンサと同時変更なのでどのぐらい変わったかはわかりませんけどね。
使ったチップ抵抗は特に選別してませんが手持ちのテスターで全て21.96kΩでした。凄いもんです。
肝心の音は解像度が増して低域がやや減ると言う感じです。解決しますがこの時点では中高域以上に硬さやガサつきが出てしまいました。
レールスプリッタIC
これは失敗で結局元に戻したので結果には記しませんでした。
オペアンプの電源を抵抗分圧からレールスプリッタIC、TLE2426CLPに変更しました。安定性もそうですがバッファのコンデンサ容量を減らせれば良いなと思いまして。
抵抗分圧してる箇所をTLE2426CLPに置き換えてバッファであろう100μFのコンデンサを10μFのMLCC(X7S)に変更しました。
音は若干低域が増えたような気がしますがほぼ変わりません。
実はこの一連の作業はそもそも回路の見立てが間違っていたらしく、ただノイズを生んでいただけでした。後で気付いたんですが左チャンネルに13kHzの微小ノイズが入るようになってしまいました。
最終的にこれが間違っていた事がわかり、元に戻して無事ノイズから解放されました。
スイッチングレギュレーター周り
ここで作る12VはTPA3250のコントロール用電源なので音に関係無いだろうと思っていました。だから効率と排熱を考えてスイッチングレギュレーターにしてるんだなと言う認識でした。
スイッチングノイズ対策はしてあるだろうけど、一応スイッチング周波数である150kHz(110 - 173kHz)に効果的なフィルタをと言う事で100μFの電解コンデンサを47μFのMLCC(X7S)に変更しました。
このぐらいの周波数だと大容量のMLCCが効果的で、尚且つ容量があればバッファとしても十分だから元の100μFと置き換えられて一石二鳥です。秋月で150円とMLCCの割には高いんですけどね。
ついでに入力側の330μFのバッファは手持ちの220μFのチップ電解コンデンサにして容量削減です。
入力カップリングコンデンサ変更で出た中高域以上の硬さやガサつきが綺麗さっぱり消えたところを見ると、完全にこれが原因ですよね。FX502J-Sだと流石に対策されているような気もします。
TPA3250電源平滑コンデンサ
この手の大容量コンデンサはバルクコンデンサと言うそうですね。恥ずかしながら最近まで知りませんでした。この手の物は全て平滑用とかバッファとか適当に言っていたんですが…。まあ実際平滑用でバッファで要するにパスコンですよね。
データシート上では470μFですがこのアンプには1800μFと大盤振る舞いです。左右に分岐するのでそれぞれにバッファが必要になってきます。これが無いと電圧が揺らいでノイズの原因になります。逆に言えば電圧が揺らがない程度のバッファがあればそれ以上は無用と言う事です。
取り合えず外すだけ外してから何を繋ごうかと… 泥縄状態でした。
2つあった220μFのチップ電解コンデンサを繋ごうと足を弄っていたらもげてしまって(またか)、急遽使えそうな物をと探すと東進 UTWRZ 470μFとニチコンMUSE ES 100μFとマルコン 5600μF…いやいやいや。
UTWRZが無難ですが実際どのぐらい容量が減らせるかと言う点が気になったのでダメもとでMUSE ES 100μFにしてみます。
その前にコンデンサ無しの状態で音を聞いてみたところ素晴らしい音です。解像感、力強さ、鮮烈さ、やや硬さがあり所謂聴き疲れする音
なのかも知れませんが良い音です。これが本来の音なんだなと言う感じです。そこからどれぐらい変わるか、あまり変わらずに済むコンデンサを使いたいと思いました。
MUSE ESを繋いだところ音の硬さは消えて全体的に柔らかい音になりました。特に全体のバランスが良いです。音にまとまりがあって特に何も突出しない、おとなしい音です。元のコンデンサに比べればマシに思いますが…
中間カップリングコンデンサ
勝手に「中間」と命名していますが、役割としてはオペアンプの出力カップリングコンデンサでしょうか。
何しろ音声信号に直列に入っているので相当音に影響するはずと思い10μFのMLCC(X7S)を用意しました。
繋いでみると軽快さと速度感が出た一方低域がやや減りました。しかし僅かな差です。こんなにも影響が無い物かとどうも釈然としませんが現実を受け入れるしかありません。豆粒みたいなMLCCが可愛いので良しとします。
この時左チャンネルから高周波のノイズが出ていることに気づきました。直前の作業も疑わしいですが、何となくオペアンプ周りかなーと言う直感はありました。
再びTPA3250電源平滑コンデンサ
ちょっとMUSE ESの音に我慢できなくなりました。
普段ロックやメタルをよく聞いているためおとなしい音とは相性が悪いです。うるさい音楽はうるさく聞きたいんです。聴き疲れ?楽しい事は大抵疲れるもんです。
と言う事で無難な東進 UTWRZ 470μFに付け替えます。そのためにMUSE ESを取り外すんですがその時基板裏のパターンが死にましfuck!
表側が生きていればどうと言う事はないので表に表面実装します。
やっぱりコンデンサ無しより音が若干曇ります。しかし音のキャラクターは概ねコンデンサ無しと同じです。MUSE ESとは違い脚色無しのコンデンサですね。とは言えまだ改善の余地がありそうなので使えそうなコンデンサを秋月に注文する事にしました。この時高周波ノイズ対策にオペアンプ周りで使うコンデンサも注文しておきました。
出力部LPF
ここはほぼコイルの音だろうと。だからコンデンサは何でも良いかなと思っていました。
ただ前述の通りカットオフ周波数はもっと高くて良いと思います。要は450kHzをカットできれば良いんです。
データシートの50kHzは可聴域外なのでそれで問題無いとは思います。理想コイルに理想コンデンサなら。実際はそうじゃないから可聴域に影響する事もあるそうです。
それなら全く影響しなさそうな高い周波数でカットした方が音を変質させる要素が減ると思います。だってターゲットは450kHzですよ。
その辺を踏まえて0.33μFのフィルムコンデンサがヤフオクで安かったので購入しました。
とは言え届くまで待ち遠しいのでちょっと手持ちのMLCCで遊んでみました。
0.22μFのMLCC(X7R)を表面実装…と言うかおっ立ててみました。
解像度が高くなったものの中高域以上がちょっと強めに出て全体的に音が軽いです。音の見通しは良いんですが低域も足りず物足りない音です。フィルムコンデンサが届くまで待てば良いだけですが、コンデンサの影響が結構強いなと言う印象になりました。
あれ?こういう時にうってつけの定番パーツがあったような。
と言う事で足の間に0.1μFのECHUを挟んでみました。すると低域がしっかり出て軽かった音に厚みと力強さが加わりかなり良い音に。これからエージングも含めるともうフィルムコンデンサ要らないんじゃないかと。
と言う事でフィルムコンデンサの到着を待たずにちゃんと設置する事に。
いつもなら表にMLCC、裏にECHUと言う配置ですが裏のパターンがまたしても1箇所死んだのと、そもそもECHUを経てMLCCと言う状態だったのでなるべくその形を再現できるようにMLCCの足でECHUを挟んだ構造のままはんだ付けしました。
はんだ付けしたせいでECHUが熱ダメージを負ってちょっとぼんやりした音になりました。復活するまで1日かかりましたがちゃんと締まった音に復活しました。
結果的に0.32μFになるのでカットオフ周波数は89kHzでしょうか。0.22μFなら107kHz。ECHUの最大容量が0.22μFなのでそれだけでも十分かも知れません。
これで最後 TPA3250電源平滑コンデンサ
結局どのコンデンサが良いのか。私が目指すのはコンデンサ無しの音です。*6
候補としては秋月に注文したルビコン SGV 100μF、ルビコン PZA 150μF、部屋で見つけたニチコン UR 220μF*7です。
ルビコン PZAは高分子固体コンデンサです。が、注文してから気付いたんですが高分子固体コンデンサって漏れ電流が多めですよね。データシート見てもやっぱり多め…
漏れ電流が多いと言う事は電圧は安定しないんじゃないのかな?少なくともICの直近のバッファとしては不向きなような気がして除外です。高かったのに…
とにかく一旦UTWRZを外します。そしてコンデンサ無しの音を確かめると…変わらない?UTWRZがエージングを経て本気を出していたようで続投でも良かったかも。でも外しちゃったしね。
そう言えば入力カップリングコンデンサ用にタンタルコンデンサをヤフオクで購入していたんですよね。足の幅が広くて取り付けが面倒だから放置していたけど… 2.2μFだけど…
ここの電源平滑コンデンサはショートしても安全装置が働いて電源がシャットダウンする仕組みになっています。うっかりショートさせて確認済みです。まあつまり故障モードがショートなタンタルコンデンサも使えるわけですよ。
音はコンデンサ無しと全く一緒です。素晴らしい!ノイズも一緒ですよ!
手持ちのコンデンサを色々宛がってみても最低でも47μFは必要みたいです。音量を上げればもっと必要になると思うのでやっぱり最低でも100μFは欲しいです。
と言う事でルビコン SGV 100μFを取り付けました。思えば最初についていた1800μFだってルビコンのコンデンサです。ニチコンの敵をルビコン川で討つとも言いますし。ん?
肝心の音ですが…
何も足さない 何も引かない
エージング無しで本気を出したUTWRZと遜色無いぐらいです。色々引きまくりのMUSE ESとは違います。
ちょっと熱くなるのが気になるもののこれで十分満足できる音なのでこのまま使いたいと思います。
高周波ノイズ対策
調べてみるとどうもオペアンプ周りっぽくてオペアンプを左右交換しても常に左から出ていました。周波数は常に13kHzでそれとは別にかすかにホワイトノイズも入っていました。
電解コンデンサじゃなくてMLCCを繋いだのが悪いのかなとハイブリッド電解コンデンサを秋月で注文していたんですが、この元々は100μFがあったところの電圧をはかると14.xxV(失念)と出ました。入力の16Vに電圧降下があっての値だと思いますがてっきり半分の8V程度、24V入力なら12Vと踏んで耐圧16Vのコンデンサを買ってしまったんですが…
回路を読み違えた気がもりもりしてきたので元に戻そうと元々のコンデンサを取り付けようとするとちょっとクリアランスが厳しい… 取り合えず手持ちで使えそうな東進 UTWRZ 47μFに変更しました。が、ノイズは消えません。
まあそうだろうねと思いつつTLE2426CLPを取り外して元々のチップ抵抗を取り付けます。コンデンサがスリムなので作業がしやすいです。これで概ね元通りです。
早速ノイズ… 全く聞こえません。肝心な音は… 良い音です。
しかし余計なことをしたもんです。抵抗分圧による正負電源よりはマシになるとは思いましたが、そもそもオペアンプのみの電源であれば抵抗分圧で十分だろうと言うのが私の認識です。*8
レールスプリッタICを使うメリットはこのバッファのコンデンサ容量を減らせる、今回はほぼこの一点のみで使ってみましたが本当に余計な事をしたもんです。
つい出来心で… こんな事になるとは…
ボリューム交換を断念
ついでなのでボリュームをまた交換しようかと。やっぱりパネルに綺麗に取り付けたいんですよね。ボリューム基板も酷い有様ですし。
メイン基板とはXHコネクタで接続しようとコネクタとピンを買ったんですがピンを圧着する専用工具が無いのでペンチでやったところうまくいきませんでした。
圧着工具を買えば良いんでしょうけど調べるとAmazonで3000円もしますよ。
よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ
そう言えばテーマ
MLCCは問題なく使えました。特におかしな点は無いと思います。音質的に不利になると言う事もありませんが唯一出力部のLPFでの単体使用は難しいです。容量や特性が違えばまた違った結果になるかもしれません。
電源ラインのコンデンサの総量(電解コンデンサのみ)は4230μFから561μFまで大幅に削減できました。この大幅な削減によって電源の応答性も改善し音質の向上に繋がっていると思います。ある程度良い電源がある事が条件になりますが。
最後に
あ~、疲れた。