パワーアンプのFX502S Proの電源を改善しました。
何を改善したかと言うと主に応答性、専門的には負荷過渡応答特性と言うんでしょうか。大雑把に言えば負荷により変動した電圧をどれだけ速く戻せるかと言う事です。スイッチング電源であればスイッチング周波数が高いほどこの応答性も良くなります。
電源の改善と言っても電源その物に手を入れるわけではなくACアダプターとアンプの間にある装置を入れるだけのお手軽改善です。
使う装置は秋月で売っている降圧型スイッチングモジュールキットで所謂DCDCコンバーターです。このキットに使われているサンケン電子のMPM80は630kHzとかなり高速で動作します。
電圧を16Vに設定してパワーアンプで使っているACアダプターのADP66にこのコンバーターを噛ませると直ぐに効果がわかりました。低音が出るようになり解像度も良くなりました。しかし一方でアンプ付属のACアダプターでは効果はあるもののいまいちでした。
FX502S Pro付属のACアダプターにはCR6842と言うコントローラーが使われていて67kHzで動作するため応答性はかなり良くなるはずですがそれ以外の部分が足を引っ張ているんでしょうか。
実はこのアダプターを改造しようと開けてみたんですが開けるだけで何度か心が折れかけ、開けたら開けたで今度はヒートシンクを兼ねたアルミ板のシールドが全体を覆い、それがご丁寧に基板にはんだ付けされていたので完全に心が折れ、そっとしまっておきました。
これは心を抓む闘い
閑話休題、ADP66との相性は非常に良いので電源改善装置として常用するためにそれなりの形にします。流石に基板剥き出しじゃね。
DCDCコンバーター新規作成
もう一つ購入していたので新規にそちらを組んで使う事にします。こちらはキットそのままではなくパーツを変更します。
変更点はC1、C2を共に220μFのチップ電解コンデンサに、C2に0.22μFと1000pFの積層セラミックコンデンサを並列に追加します。
C1はあまり重要ではないと思います。結局MPM80で高速にスイッチングされるので。とは言え心情的に低ESRで周波数特性の良い物を使いたくはなります。高分子個体コンデンサなんて使えば良いんでしょうけど手持ちに無いのでごく普通のチップ電解コンデンサ、ニチコン URを使いました。電解コンデンサとしては低ESRだと思います。周波数特性は…気にしない!*1
C2は標準の470μFより容量が減りますが問題ないでしょう。多分100μFもいらないと思います。*2 低ESRの物でそこそこ容量確保できれば良いと思います。
それより高周波のスイッチングなので周波数特性の良い積層セラミックコンデンサを追加する方が重要です。容量は手持ちで使えそうな0.22μF(X7R)にしましたが一般的には0.1μFでしょうか。要は630kHzに効けば良いわけです。これで十分なんですが1000pFも追加してみました。意味はありませんが特性がC0Gなのでちょっと使ってみたかっただけです。
エアコンの風にはんだ付けを邪魔されたり、うっかりパーツの取り付け位置を間違えたりして思いの外時間がかかって組み上がりました。早速試してみると解像度と定位が僅かに標準品より良くなってます。
ハウジング作成
これを適当なハウジングに納めます。と言ってもその適当なハウジングがありません。ケースの類を購入するにしても丁度良いサイズも見当たりません。あんまり大きくしたくないですし。
仕方ないのでアルミ板で自作する事にします。
t0.5㎜のアルミ板を適当に切って筋を入れて3㎝四方の箱にしようとしたらもげました。家にあるアルミットと言うはんだがアルミにも使えたような気がしたのではんだ付けで箱にしようとしても付かず。
そもそも強度は必要ないのでマスキングテープで貼り付けて箱にします。一応内側の底を絶縁テープで絶縁しておき外側をマスキングテープで覆います。これでDCDCコンバーターを覆ってネジで固定して完成です。
アルミのシールド効果で更なる音質向上が…ありませんよ。